(25日、プロ野球 巨人6―0阪神)
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「1番ショート、坂本」
先発選手の名が呼ばれると、東京ドームは試合前にもかかわらず、大歓声に包まれた。左脇腹を痛めて7月17日に出場選手登録を抹消された坂本勇が、1軍の舞台に帰ってきた。
本人の耳にも届いていた。「これだけたくさんのお客さんの前でできるのは、いいことだなと」。復帰のあいさつ代わりは、一回の第1打席。外角の147キロに逆らわず、一、二塁間を破った。犠打で二塁に進み、今季ブレークしている4番・岡本の2ランで、ゆっくりと生還した。
キャプテンは、そこにいるだけで、存在感が際立つ。練習中は時折笑顔を振りまきながら、離脱前と同じメニューに取り組んだ。岡本は「(坂本)勇人さんがいるだけで、チームの雰囲気、締まり方が違う」と言い、高橋監督も「いなくては困る選手。チームの柱があるのは大きい」。
セ・リーグは、広島が3連覇に向けて独走状態。2位以下が混戦の中、クライマックスシリーズ進出争い(3位以上)までを見据えると、残りの試合数も大事になる。消化が順調な巨人は、3位ヤクルトより8試合、4位阪神より11試合も少ない。
最終順位の確定が、他球団の結果待ちになる可能性があるため、早めに抜け出したい。「(流れを)変えられるように、1個でも勝てるように」と坂本勇。残り26試合。その下地が整ってきた。(井上翔太)