加計(かけ)学園の獣医学部新設をめぐり、内閣府地方創生推進室次長だった藤原豊氏(現・経済産業省貿易経済協力局審議官)が出張時に学園側の車を利用していた問題で、梶山弘志・地方創生担当相は28日の閣議後会見で「文書厳重注意」にしたと発表した。当時の内閣府官房長も文書厳重注意とした。処分は27日付。
【特集】加計学園問題
処分の理由について、内閣府の担当者は「国家公務員倫理規定には違反しているが、懲戒処分には該当しないと判断した」と説明。国家公務員倫理審査会から「社会通念上、相当と認められる程度を超えている」との通知もあったという。当時の事務次官と同推進室長も文書厳重注意の対象としたが、すでに退官しているため処分はしなかった。
藤原氏は2015年8月、随行職員2人とともに愛媛県今治市などに出張。国家戦略特区などに関する意見交換などを行い、移動手段の一部に学園の車を利用した。だが、内閣府の出張記録には「官用車利用」と記しており、「公文書の虚偽記載の疑いがある」との指摘も出ていた。