(28日、西武6―5楽天)
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やられたらやり返す。それが今季の西武打線だ。逆転された嫌な流れを、主将が一振りで吹き飛ばした。
3点を追う七回、1点を返してなお無死一、二塁。3番浅村が打席に立った。マウンドは楽天のエース・則本。1ボールから、制球にわずかな狂いが生じたのを逃さなかった。154キロの豪速球をバットの芯で捉え、ライナーで右中間席前列へ突き刺した。再逆転の26号3ランに「完璧だった。本当に打てて良かった」。普段は多くを語らない27歳が、感情を込めた。
六回の守備の反省があった。無死一塁、二ゴロで併殺を焦り、二塁ベースカバーの遊撃手へ悪送球。そこから4失点した。「迷惑をかけた。何とか打ってやろう」。気持ちは熱く、でも冷静に入った打席だった。
前回3連戦は、2位ソフトバンクとの直接対決で3連敗。嫌な流れを変えようと辻監督も勝負に出た。今季固定していた1番秋山、2番源田のコンビを初めて入れ替えると、采配がピタリとはまった。七回無死一塁から源田が右前打で好機を広げると、秋山が右前に落とす技ありの適時打で、浅村の千金打につないだ。
首位を走っているが、マジック点灯は足踏み状態。この試合で、5年ぶりの100打点を突破した主将は「一つでもチームを勝たせられる打点をここからはとっていく」。10年ぶりの優勝へ、バットでチームを加速させることを誓った。(大坂尚子)