国連人権理事会が設置したミャンマーの人権侵害に関する調査団は27日、国軍主導による少数派イスラム教徒ロヒンギャらへの広範で組織的な迫害が、「人道に対する罪」に当たるとした報告書を公表した。
報告書は、軍幹部の責任追及や、ジェノサイド(集団殺害)の疑いでさらに調べる必要性を指摘。事実上の政権トップ、アウンサンスーチー国家顧問の無力ぶりについても批判した。
調査団は、北朝鮮の人権状況を調べる特別報告者も務めたダルスマン氏が団長。昨年3月、ミャンマー少数派の人権状況悪化を受けて設置が決まった。昨年8月下旬にはラカイン州で、武装組織の「掃討作戦」の名目で大規模なロヒンギャへの攻撃があったとされる。報告書はこの時期の攻撃は軍の主導で警察、国境警察が行ったと判断し、ラカイン州の4割に当たる392の村が焼き打ちなどで破壊されたと推定。数百人が殺された村もあり、死者は控えめにみて1万人に上るとした。今月までに、約72万5千人がバングラデシュに逃れたと指摘している。
被害者や目撃者の証言875件…