インドで２０１６年１１月、「ブラックマネー（不正蓄財）をあぶり出す」として、モディ政権が突然実施した高額紙幣の廃止（廃貨）宣言から２年になるのを前に、同国の中央銀行は２９日、廃止された紙幣の９９・３％が合法なものとして回収されたと発表した。廃貨は現金不足による大混乱を招いたが、効果はほとんどなかったことになる。

廃止されたのは、当時の最高額紙幣だった１千ルピー（約１６００円）札と５００ルピー（約８００円）札で、現金全体の８６％に当たる１５兆４千億ルピー（約２４兆円）に上った。

旧紙幣分を取り戻すには、銀行に預金したり、新紙幣と交換したりする必要があり、金額が大きく入手先を説明できないと、課税や罰則の対象となる恐れがあった。政府は当時、全体の約２割を説明のつかないブラックマネーとみて、回収されないとの見方を示していたが、実際は０・７％に当たる１千億ルピー（約１６００億円）にすぎなかったことになる。

ブラックマネーが予想より少な…