立憲民主党の枝野幸男代表が11日、日米関係を重視する党の姿勢を伝えるため、米国へ出発した。代表就任後、初の外遊になる。旧民主党政権は日米関係をめぐる方針の混乱が失速の一因になったことを踏まえ、米民主党議員らとの信頼関係の構築をめざす。
枝野氏は出発前、成田空港で記者団に「日米同盟重視という基本的な立ち位置を米側に伝えていきたい」と語り、外交政策では現実路線をとる方針を米側に伝えることに意欲を示した。
ワシントンに15日まで滞在し、2016年の米大統領予備選で注目を集めたバーニー・サンダース上院議員と会談する予定だ。マイノリティーの差別解消などに取り組むNPOの関係者らとも会い、多様性を重視する党の理念の発展や参院選に向けた政策立案にもつなげたい考えだ。
枝野氏が米国との関係作りに力を入れるのは、みずからが官房長官や経済産業相を務めた旧民主党政権は外交面での根回しが不十分だったと反省しているからだ。安全保障法制の整備などを通じて日米関係の強化を図る安倍政権を批判する一方で、「政権交代後」を見すえれば日米関係の安定が政権運営に必須の条件と考えている。枝野氏は「国際関係でも政治は人間関係が重要だ」と語る。訪米中に沖縄政策についても発信するという。(及川綾子)