自民党総裁選で17日、安倍晋三首相と石破茂・元幹事長がそろって民放キー局を行脚した。新聞・通信各社に「公平・公正」な報道を求める文書を出すなど、党本部は両候補の平等な取り扱いを気に掛けているが、現実には首相の露出が目立つ。識者からは、テレビの報道の仕方に慎重さを求める声も上がる。
特集「安倍×石破 二人が見る日本―自民党総裁選2018」
「森友・加計学園問題で首相は説明責任を果たしたか」。17日夕、首相と石破氏がそろって出演した日本テレビの報道番組は首相に厳しい質問が続いた。首相陣営の関係者は「現職の方が攻撃される懸念要素は多い。攻撃される場を増やす必要はなく、テレビ出演は最低限こなせば良い」と明かしていたところだった。陣営幹部も「現職総理は災害対応や外遊など好印象となりやすいメディア露出が多い。それ以外に下手に動く必要はない」と言う。
実際、台風21号や北海道地震では首相や官邸の積極的な「対応」が目立つ。7月の西日本豪雨の際に首相が自民党議員らとの懇親会「赤坂自民亭」に参加するなどして、初動の遅さが批判されたのとは対照的だ。
総裁選告示前日の6日には、台風で被害の出た関西空港が翌日から運航を再開すると空港運営会社より先に首相が自ら発表。すると即座にNHKが「首相が明らかに」とテロップで速報した。
北海道地震が起きると、6日夜…