自民党総裁選に立候補した安倍晋三首相と石破茂・元幹事長は17日、ロシアのプーチン大統領が「前提条件なし」での平和条約の年内締結を提案して北方領土交渉を先送りする考えを示唆したことをめぐって、フジテレビのニュース番組で応酬を繰り広げた。
特集「安倍×石破 二人が見る日本―自民党総裁選2018」
石破氏は「(プーチン氏の発言に)のけぞって驚いた。(交渉が)振り出しに戻ったという見方ができる。2島はおろか、全く返ってこないが平和条約は結ぼうね、ということだ」と指摘。「(プーチン氏が)思い付きで言うはずがない。肝胆相照らす仲で、そんなことがあるはずがない」とも述べ、首相とプーチン氏との個人的関係にも疑問を投げかけた。
これに対して、首相は「(ロシア側は)いろんな変化球を投げてくるが、ただ恐れていてはダメだ」「外相会談だって、かつてはできなかった。それが今は(首脳会談も)非常に頻繁にできるようになった。そう簡単ではないなかで、全力を尽くしていきたい」と強調。北方四島での共同経済活動を領土交渉の進展につなげる考えを改めて示した。
北方領土を軍事拠点化するロシアの動きについて、石破氏は「ロシアにとって、いかに北方領土が軍事的に大事か。(日本が)自衛隊や米軍を置かないと言ったら主権の放棄だ。そこでロシアとぶつかる」と語り、安全保障上の課題を解決する必要があるとした。首相は「一番のハードコアで、議論しなければならない。我々はそこに入ってきているが、つまびらかに申し上げるわけにはいかない」と答えた。