政務活動費約690万円を不正に受け取ったとして詐欺罪に問われた元神戸市議の橋本健被告(38)の初公判が21日、神戸地裁であり、橋本被告は起訴内容を認めた。検察側は「政活費制度への信頼を損ね、私利私欲のための犯行だ」として懲役1年6カ月を求刑し、結審した。判決は10月29日に言い渡される。
起訴状によると、橋本被告は架空の領収書を政活費の収支報告書に添付し、支出総額を水増しすることで2011~14年度に総額約690万円をだまし取ったとされる。検察側は冒頭陳述や証拠調べで、これらの金を遊興費に使い、キャバクラやガールズバーに通ったり、ゴルフをしたりしていたと主張した。
これに対し、橋本被告は「議員活動に資すると思い、自民党本部の勉強会に参加する際などに使った」と説明。「他の自治体では許されているからいいだろうという意識だった。市民や有権者の信頼を失ったことを後悔し、申し訳なく思っている」と述べた。
橋本被告は、自民党の今井絵理子参院議員(34)との対談を載せた市政報告を政活費で発行し、16年の参院選公示日の直前に配布していたことが発覚。政活費の不正受給疑惑も明らかになり、昨年8月に議員辞職した。