神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で市営バスが横断歩道の歩行者8人をはねて死傷させた事故で、兵庫県警がバスのドライブレコーダー映像を確認したところ、横断歩道で加速していた。発進直前にはバス側の信号が赤に変わっていた。県警は運転手が赤信号を見落として発進し、さらにブレーキとアクセルを踏み違えたとみて調べている。
捜査関係者によると、映像では、運転手の大野二巳雄(ふみお)容疑者(64)=自動車運転死傷処罰法違反容疑で逮捕=が停留所で乗客を降ろし、観光客へ道案内をしている間に信号が赤になった。バスは信号を無視する形で発進し、数メートル先の横断歩道に差しかかって速度を増し、歩行者をはねた。この前後、大野容疑者が「わー」と叫んでいた。バスはそのまま走り、中央分離帯付近に衝突して停止。最高で時速20キロ前後が出ていたとみられる。
大野容疑者は逮捕直後に「ブレーキを踏んでいたら急発進した」と供述していたが、その後の調べに対し、前方をよく見ず発進し、アクセルとブレーキを踏み違えた可能性に言及しているという。県警は、大野容疑者が目前に迫った歩行者に気付いて動転した可能性もあるとみて調べる。
21日の事故では兵庫県明石市の女子大学生(20)と神戸市須磨区のアルバイト男性(23)が死亡し、6人が重軽傷を負った。