韓国と北朝鮮の南北首脳会談など朝鮮半島をめぐる動きが続く中、全ての拉致被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」が23日、東京都内で開かれた。拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表(80)は「今までは焦ってだまされたが、今度はそうはいかない。被害者の帰国だけに焦点を当てた取り組みをお願いしたい」と訴えた。
25日に日韓首脳会談 安倍首相、トランプ氏と夕食も
家族会や支援団体「救う会」などの主催。拉致被害者横田めぐみさん(拉致当時13)の母早紀江さん(82)は「何の罪もない人を引っつかんで連れて行き、死亡しましたの一言。このようなことを放置していいのでしょうか」と問いかけた。早紀江さんによると父滋さん(85)は体調を崩し、今年4月から入院。一時は容体が悪化したが夏には持ち直し、最近はリハビリで立つ練習をしたり、簡単な応答ができたりする程度まで回復したという。
安倍晋三首相も米国出発前、集会に出席し「ご家族から改めて痛切な思いを伺った。この問題の解決に全力で取り組まなければならない。その時を迎えているという気持ちを同じくした」と決意を述べた。
首相は集会前、拉致被害者の家族らと面会し「日朝の間でも、拉致問題の解決に向けて一歩大きく踏み出さなければならない」と述べ、日朝首脳会談への意欲を改めて示した。現地時間23日夜のトランプ米大統領との会談については「拉致問題についてどのように対応していくか、綿密に打ち合わせたい」と説明した。(太田成美、編集委員・北野隆一)