9月28日夕にマグニチュード(M)7・5の地震があったインドネシア・スラウェシ島中部のパルでは、あちこちで住宅が大きく損壊し、大勢の住民らが余震を恐れて屋外に簡易なテントを作って、着の身着のままで避難生活をしている。
電柱の高さの津波、車上で流されたいとこ インドネシア
インドネシア地震、死者数832人に ホテルで救出続く
現地メディアは死者数は1200人を超えたと報じている。救助や被害の確認は行き届いておらず、カラ副大統領は死者数が「数千人に及ぶ可能性がある」としている。
パル中心街に近いある地区では、95世帯の200人全員が28日夕から近くの空き地に集団避難。ブルーシートで雨よけをつくり、段ボールやじゅうたんを敷き詰めて身を寄せ合う。
公的な支援物資が一切届いていないといい、30日夜にすべての食料が尽きた。1歳半の女児を抱えた母親のナビラさん(27)は1日朝、「おむつも食べ物も着る物も、何もかもが足らない」と訴えた。(パル〈スラウェシ島中部〉=野上英文)