第4次安倍改造内閣が3日、本格始動した。各省庁では新旧閣僚による引き継ぎ式などが行われた。離任式では声を震わす前大臣の姿もあった。
小野寺五典・前防衛相は離任のあいさつでイラク日報問題に触れ、「隊員たちが国民から勝ち得た信頼を二度と損なうことがないよう、再発防止策の徹底に努めてください」と述べた。視察した部隊の活動に言及した際には感極まって涙声に。前回の2014年9月の離任式でも涙を見せており、「今回は笑顔で終わりたいと思ったが、どうも無理なようだ」と話した。
一方、着任した岩屋毅防衛相も着任式で日報問題に触れ、「傷ついた防衛省・自衛隊の信頼を取り戻していかなければならない」と述べた。
着任会見での教育勅語をめぐる発言が早速物議を醸している柴山昌彦文部科学相は、林芳正・前文科相から引き継ぎを受けた。幹部の汚職事件など不祥事に見舞われた林氏は「多事多難な14カ月で、いろんなことがあった」と振り返った。
文科省では学校法人・加計学園の獣医学部新設をめぐり、「確認できない」とした文書が後から見つかり、公文書の管理体制が問われた。柴山氏は「公文書管理をしっかりと透明な形にして、手続きもしっかりと公にしていくことが重要な課題だ」と話し、職員に適切な管理を訴えた。
唯一の女性閣僚として地方創生担当相に就いた片山さつき氏は、前任の梶山弘志氏から引き継ぎ書を受け取った。「要望や陳情を持って何度もお伺いし、いかに大変な仕事かよく分かっているので本当に身の引き締まる思いだ」と述べた。