富士通研究所は4日、顔とかざした手のひらで短時間で本人確認する技術を開発したと発表した。買い物の支払いや会場に入る許可を得る際などに、カードの提示やパスワードの入力が不要になる。大型の商業施設やイベントでの活用を想定しており、2020年度の実用化をめざす。
事前に顔写真と手のひらを登録することが条件。顔と手のひらの静脈による生体認証技術を活用する。身体的な特徴だけで本人かどうかを識別するには、対象者が増えたときに識別に時間がかかるという課題があった。だが、新たに開発した顔の特徴を簡素化する技術で素早く顔を識別して対象者を絞り込んだうえで、手のひらを専用の機械にかざしてもらうことで、1秒程度で識別できるようになったという。
開発担当者は「利用者は端末に触れる必要がなく、顔の情報も読みとれるので、利便性は高い」と話している。(北川慧一)