スマートフォン向け次世代通信規格「5G」の商用サービスが3日、米国と韓国で相次いで始まった。幅広い技術革新が期待される新技術だけに、米韓企業が「先陣争い」を繰り広げ、ともに「世界初」をうたう異例のスタートとなった。
先手を打ったのは米携帯電話首位のベライゾン・コミュニケーションズ。当初予定より1週間も早い3日、イリノイ州シカゴとミネソタ州ミネアポリスの2都市で始めた、と発表した。ベストバーグ最高経営責任者(CEO)は「ベライゾンの顧客は世界で初めて5Gの力を手にする」とアピール。韓国の通信大手が5日の開始を予告していたため、先んじた格好だった。
これに対し、韓国の通信大手3社は3日午後11時に突然、携帯電話を扱う支店が閉まっている時間帯にもかかわらず、「世界初の加入者が生まれた」と一斉に発表。韓国メディアは「韓国が約1時間、米国より先んじた」と伝え、「韓国が世界初」と相次いで報じた。通信大手の関係者は、ベライゾンがサービス開始を早めるという情報を入手し、「日程を急に早めることになった」と明かす。
5Gは現行の4Gより通信速度が数十倍速く、多くの機器をネットに同時接続できる。自動運転など幅広い産業で新サービスを生み出す原動力になると期待されている。国同士の覇権争いの色彩も帯び、本命とみられていた米国と中国を、韓国が急速に追い上げた。
一方、日本で5Gが使えるようになるのは、東京五輪・パラリンピックがある2020年になりそうだ。
総務省は10日、NTTドコモ…