インドネシア中部スラウェシ島で起きたマグニチュード(M)7・5の地震で、地殻変動は南北約160キロに及び、地表のずれは水平方向で最大5メートルに達していることが確認された。国土地理院が人工衛星「だいち2号」の観測データを解析し、5日、発表した。ずれの長さは熊本地震の約2倍だという。
解析によると、南北に延びる断層を境に、西側が南に、東側が北にずれる地殻変動が起きていた。ずれの量が特に大きかったのは、津波で大きな被害を受けたパル周辺だった。
国土地理院の小林知勝主任研究官は「熊本地震ではずれが2メートル余りだったので、それと比べて非常に大きい。あまり例がない規模の大きなずれだ」と話す。津波は一般的に上下方向のずれで発生する。「詳細はまだわからないが、5メートル動けば横ずれでも大きな津波が起きるということを示しているかもしれない」としている。(小林舞子)