80年以上にわたり日本の食の流通を支えてきた東京・築地市場。築地で働く人たちは6日、いつもの食材を売りさばき、なじみの客と語らい、最後の日を惜しむ一方、新しい市場で始まる勝負を見据えた。 雨上がりの未明。最終日の築地市場では煌々(こうこう)と明かりがともり、多くの人出でにぎわった。次々とトラックが入り、山のように箱が積まれていく。 豊洲市場の開場は5日後の11日で、鮮魚や活魚は売れ残ると値が下がる。仲卸たちは「前注文をもらっている分で、きょうは終わりだよ」と話していた。 午前2時半。川魚専門の仲卸「海源」の中村勝次さん(72)は「残っているのはこれくらいだよ」と、ドジョウを指さした。それも午前3時には売り先が決まった。年季の入った木製の帳場も、ウナギなどを並べる売り台も、ここに置いていく。「豊洲に持っていくのは串打ち機に小車(手押しの荷車)、それに包丁くらいかな」 4時。ウニのセリ場では、入っ… |
築地市場の最後の日 「残りたい」裸電球消えた暗がりに
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