会社の金を横領したとして、福岡県警八幡東署は7日、住所不定、元環境関連会社社長の岡村忠平容疑者(53)を業務上横領の疑いで逮捕し、発表した。横領発覚後に行方が分からなくなっていたが、捜査員が勘を働かせて大阪・道頓堀で発見した。容疑を認めているという。
発表によると、岡村容疑者は4月9日午前10時ごろ、当時社長を務めていた北九州市戸畑区内の会社の預金口座から340万円を自身の預金口座に振り込んで横領した疑いがある。親会社の社長男性(56)が横領に気付き、署に相談したが岡村容疑者の行方は分からなくなっていた。
「大阪のネットカフェを利用している」との情報を得て、捜査員3人が大阪市に足を運んだ。大阪のどこなのかは分からなかったが、ネットカフェが集中している道頓堀付近を探してみようと、6日午後から複数のネットカフェが見渡せる場所で見張りを始めた。表通りでは見つからず、裏通りにも範囲を広げた7日午後、写真で顔を覚えていた岡村容疑者が歩いていたところを発見。本人と認めたため逮捕した。
岡村容疑者は、逮捕時の所持金は約4千円でカプセルホテルに泊まっていた。「会社の経営がうまくいかず、借金もあり、どうにでもなれと思った」と供述しているという。(吉田啓)