河野太郎外相は8日夜、米国のポンペオ国務長官と約15分間、電話で協議した。ポンペオ氏から7日に行われた北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談内容の説明を受けた。河野氏は電話協議後、外務省で記者団の取材に応じ、ポンペオ氏が正恩氏に対して拉致問題を提起したと説明されたことを明かした。
河野氏は「ポンペオ氏から正恩氏に対して日朝間のことについて問題提起をしてもらった」と説明した。ただ、正恩氏の反応については「特に申し上げない」と言及を避けた。ポンペオ氏は訪朝前の6日に安倍晋三首相と首相官邸で会談した際、「我々は拉致問題を提起する」と述べ、訪朝時に北朝鮮側へ働きかける考えを表明していた。
河野氏は、北朝鮮が求める朝鮮戦争の終戦宣言については「(時期尚早という)日米の立場は一致している」と強調。北朝鮮の非核化に向け、引き続き日米間の連携を確認した。
また、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長と、ポンペオ氏の訪朝に同行した米国のビーガン北朝鮮政策特別代表は7日にソウルで約1時間意見交換をした。外務省が8日に発表したもので、今後の方針をすり合わせたという。(鬼原民幸)