ミャンマー警察当局は10日、記事でヤンゴン管区政府の名誉を傷つけた疑いで、地元紙のミャンマー人記者3人を逮捕した。ミャンマーでは9月、少数派イスラム教徒ロヒンギャの取材をしたロイター通信記者に実刑判決が下され、国際的に批判を浴びていた。
ロイター記者2人に懲役7年判決 ロヒンギャ殺害を取材
ロイター記者の実刑判決、強まる批判 米副大統領も投稿
3記者の弁護士らによると、問題になったのは週刊紙「イレブン」の8日付の記事。ヤンゴン管区政府が運営するバス事業の設立に多額の費用がかかったのに、利益が出ていないと指摘したうえ、財務報告書で支出に不適切な記述があったなどと批判したという。
ミャンマーの刑法の名誉毀損(きそん)罪では、「人々が国や公共に悪意を持つように仕向ける発行物や発言」をした場合、最大禁錮2年の刑に処せられるとしている。警察が9日、3人を逮捕しようとしたところ、10日になって3人が警察に出頭し、逮捕されたという。
ミャンマーでは9月、ロイター通信のミャンマー人記者2人が、「国家機密に触れる情報を得た」として懲役7年の実刑判決を受け、「言論の自由の弾圧だ」などと批判されていた。(染田屋竜太)