米大リーグのプレーオフは13日(日本時間14日)、ア、ナ両リーグの優勝決定シリーズ(7回戦制)があり、ナ・リーグの第2戦はドジャース(西地区1位)がブルワーズ(中地区1位)に4―3で逆転勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。前田は4―3の八回途中に登板し、打者1人を抑えた。ア・リーグは第1戦で、昨季のワールドシリーズを制覇したアストロズ(西地区1位)がレッドソックス(東地区1位)に7―2で先勝した。
通算204勝のアストロズ、バーランダーがレッドソックスの左腕、セールとのエース対決を制した。6回2失点の内容に、「あれがターニングポイントだった」と振り返る球がある。一回、レッドソックスの4番・ボガーツへの2球目に投げた直球だ。
この回、先頭のベッツに右前安打を許し、1死後、マルティネスを四球で歩かせた。早速訪れたピンチで、1ストライクから、真ん中高めの96・7マイル(約156キロ)で遊ゴロ併殺に仕留める。「私は、多くのゴロを打たせる投手ではないから、ダブルプレーを取れてうれしかったね」
以降は、最速99マイル(約159キロ)の直球に変化球もさえた。2点リードで迎えた五回は、「あのときだけ、指の感覚がおかしかった」と3連続四球などで同点とされるが、ここで踏ん張る。続く六回は三者凡退で切り抜け、大事な初戦で先発投手の責任を果たした。
今季は、通算2500個目の三振を5月16日(同17日)にあったエンゼルスとの試合で大谷翔平から奪った。回転数が多い伸びのある直球と切れ味鋭い変化球は、大谷が「印象に残った」として、その名前を挙げるほどだ。
試合はその後、アストロズ打線がレッドソックスのリリーフ陣を攻略して、突き放した。ヒンチ監督はバーランダーについて、「五回は慎重になっていたが、次の回はまったく心配がいらなかった」。2年連続のワールドシリーズ制覇に向け、敵地での大きな1勝となった。(ボストン=山下弘展)