岩手・花巻東高校の先輩と後輩が、米国で初対決へ――。8日(日本時間9日)の大リーグ。アナハイムで行われる一戦は、本拠・エンゼルスの「3番・指名打者」に大谷翔平が入り、マリナーズは菊池雄星が先発登板する。
学年では菊池が三つ上だが、大リーグには大谷が1年早く来た。対戦をより強く意識しているのは、菊池の方だ。大谷について「後輩ではあるけど、たくさんの刺激をくれて、尊敬する部分が本当に多い。彼がいなければ、間違いなく僕は今、いない」と言い切る。
ともに高校時代から大リーグを志し、高卒でプロ野球の世界に入った。だが、その後のキャリアの積み重ね方は、やや異なる。
菊池は順風満帆とは言えなかった。プロ初先発を果たしたのが、2年目の2011年。初めて開幕投手を務めた16年に、ようやく2桁勝利を手にした。一方の大谷は、新人だった13年から投打の「二刀流」で注目され、16年はリーグ優勝と日本一、最優秀選手(MVP)にも輝いている。菊池は言う。「同じ目標を持った人間の一人として、彼に負けていられない」
2人は先月30日にも、対戦する可能性があった。だが大谷が先発を外れ、持ち越された。そのとき大谷は「僕が安定して出られていれば、必ずどこかで対戦する。次の機会に向けて、状態を上げたい」と話していた。高校時代、オフにあいさつに訪れたときから「憧れ」の存在だったという先輩との対決。軍配はどちらに上がるか。(井上翔太)