今季から大リーグのマリナーズでプレーする菊池雄星投手が、投球の際に禁止されている松やにを使用したという疑惑が、米国で話題になっている。ただ米メディア内では「菊池の罪は使ったことではなく、隠せなかったこと」と同情する声がある。その理由とは。
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問題となったのは、菊池が8日に敵地ニューヨークで先発したヤンキース戦。この日は、六回途中まで被安打ゼロの好投を見せていた。移籍後最長イニングとなった八回、地元スポーツ局の「YESネットワーク」が、菊池の表情をアップで放映。そこには、帽子のつばの裏が茶色く汚れている様子が映っていた。
ヤンキース番記者のツイッターによると、同チームのブーン監督も八回、菊池の帽子に何らかの物質が付いていることに気付いていたという。ただ、審判団に抗議はしなかった。
この疑惑に対し、米メディアは、批判的に報じない姿勢が目立つ。NBCスポーツは配信記事で「どのチームの投手も様々な度合いで松やにを使っている。しかし打者は気にしていない。球が滑りにくくなり、打者の頭へ向かってこないからだ」と言及。AP通信は「彼はおそらく、ほんの少し悪さをしただけ」とした上で、「野球界の秘密の一つ」と報じている。
過去には2014年、ヤンキースに所属していたピネダ投手が、首筋に松やにを塗っていたとして、試合中に退場処分となった。このときは、相手チームだったレッドソックスの監督が抗議していた。その後、ピネダ投手は大リーグ機構から、10試合の出場停止処分を科された。(井上翔太)