米フェイスブック(FB)は19日、英国のニック・クレッグ元副首相を副社長に迎えたと発表した。FBは、個人情報の流出問題や情報規制強化などの課題に直面している。欧州議会議員も歴任した大物の採用には、欧州連合(EU)を含む各国当局への対応を強化する狙いがありそうだ。
英国の副首相を2010年から15年まで務めたクレッグ氏を、広報などを担当する副社長にあてた。
FBのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)が自身のFB上で、「我々が直面する困難は深刻で、これまで以上に変革の時期を支えてくれる新しい視点が必要だ」と説明。クレッグ氏について「複雑な問題に取り組む経験と能力はかけがえのないものだ」とした。
個人情報流出問題が相次ぐFBには欧米を中心に批判が強まっている。EUでは個人情報保護やソーシャルメディア上のコンテンツをめぐる規制強化といった動きが出ており、FBは対応を迫られている。(ロンドン=寺西和男)