医師の勤務時間の削減をはかるため、国が示した緊急対策について、多くの国立大学付属病院で導入されていないことが、国立大学付属病院長会議の調査でわかった。勤務終了から次の勤務開始までに一定の休憩時間を設ける「勤務間インターバル」の実施は、約1割にとどまっていた。
厚生労働省は医師の働き方改革を進めるため、今年2月に「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組」を公表。勤務間インターバルや完全休日の設定、当直明けの勤務負担緩和の積極的な検討、導入に努めるよう医療機関に求めていた。
同会議は9月、取り組み状況を45の国立大学病院にメールで尋ね、39病院が答えた。「勤務間インターバルや完全休日」の実施は13%の5病院。未実施23病院、検討中11病院だった。「当直明けの勤務負担の緩和」は41%の16病院が実施。「勤務時間外に緊急ではない患者の病状説明などの対応をしない」は49%の19病院で実施していた。
同会議・常置委員長の山本修一・千葉大学病院長は「医師の健康管理は大前提だが、インターバル勤務を可能にするには、医師の手厚い配置が必要になる。どのように医師を確保し、人件費をどうするかが課題だ」と述べた。(黒田壮吉)