安倍晋三首相は25日に中国を訪問し、李克強(リーコーチアン)首相と懇談した。日中平和友好条約締結40周年を祝う式典では、中国への途上国援助(ODA)の終了を正式に表明した。26日には習近平(シーチンピン)国家主席、李首相と個別に首脳会談を行う。
首相、7年ぶりに中国訪問へ 経済協力や北朝鮮対応協議
日本の首相が国際会議などへの出席以外で単独訪中するのは2011年12月の野田佳彦首相以来。今年は友好条約の締結から40周年の節目に当たり、5月に李首相が単独来日するなど関係改善を進めてきた。
25日午後に北京に到着した安倍首相は、人民大会堂で李首相と懇談した。安倍首相は「日中は地域や世界に大きな責任を共有している」と述べ、両国の首脳が率直に意見を交わすことの重要性を強調。李首相は「両国関係が正常な軌道に戻った上で、持続的に改善の流れを見せている」と応じた。
その後、両氏は友好条約40周年を記念する式典に出席。安倍首相はあいさつで「恒久的な平和友好関係を発展させる」などとした条約の精神に触れ、相互交流の推進を改めて強調した。中国へのODAについては、「今や中国は、世界第2位の経済大国へと発展し、その歴史的使命を終えた」と述べ、対中ODAを今年度の新規案件を最後に終了することを表明。「新たな時代にふさわしい、新たな次元の日中協力のあり方について、大所高所から胸襟を開いて議論したい」と26日に行う首脳会談への期待を語った。
李首相は、両国関係の基礎には…