ベトナムの民間格安航空会社「ベトジェット」の創業者で、最高経営責任者(CEO)のグエン・ティ・フォン・タオ氏(48)が26日、朝日新聞のインタビューに応じた。ハノイ―関西空港便を皮切りに、日本への直行便3便を就航することについて「私の夢だった」と話した。将来、日本を経由地として欧州、米国へも運航網を広げる考えも示した。
ベトジェットは2011年に運航を開始、国営ベトナム航空をしのぐ業績の航空会社に成長した。ベトナム国内のほか台湾、韓国、タイなどアジア地域の9カ国・地域で運航。11月8日には日本へ初の定期便としてハノイ―関空を就航し、12月にホーチミン―関空、来年1月ハノイ―成田空港便も運航が始まる。
日本便には旅行・ビジネス客や日本在住ベトナム人らの利用を見込む。タオ氏は自身も日本をたびたび訪問しているといい、「福岡、名古屋、富士山など魅力的な場所にベトナムの人を連れて行きたい」と述べ、他都市とベトナムの直行便も今後検討すると述べた。
今月からベトナム国内便でコードシェア(共同運航)を始めた日本航空との協力については「サービス、経営、安全、メンテナンスなど多くの分野で学びたい」と話し、包括的提携の可能性も模索すると述べた。
ベトジェットは、ビキニ姿の女性が搭乗する催しで注目を集め、「ビキニ航空」とやゆされることも。タオ氏は「ビキニは宣伝のつもりはなく、乗客に喜びや楽しさを感じてほしいから続けてきた」と説明した。毎年恒例のビキニ姿の女性のカレンダー(非売品)は19年版も発行し、日本の女性モデルの写真も使われているという。(ホーチミン=鈴木暁子)