(26日、フィギュアスケート・スケートカナダ女子SP)
フィギュア特集 Kiss and Cry
浅田真央の代名詞だったトリプルアクセル(3回転半)ジャンプで、復活の手がかりをつかんだ。首位に立った2015年の世界女王エリザベータ・トゥクタミシェワ(21)=ロシア。冒頭、大技をきれいに着氷し、出来栄え点(GOE)で1・03点の加点を引き出した。2連続3回転ジャンプも決め、74・22点の高得点をマーク。「今季初めてトリプルアクセルを跳べた。うれしい」
愛称は「リーザ」。14歳だった11年にシニアデビューすると、いきなりグランプリ(GP)シリーズ2戦を制した。けがなどで14年2月のソチ五輪は逃したものの、14年12月のGPファイナルで優勝。15年3月の世界選手権ではSPでトリプルアクセルを成功させ、ロシア勢10年ぶりの金メダル獲得を果たした。トリプルアクセル成功は、国際スケート連盟(ISU)の公認大会では浅田に続いて6人目だった。
その後は平昌五輪の金銀のメダリスト、アリーナ・ザギトワ(16)やエフゲニア・メドベージェワ(18)ら若手の台頭もあり、伸び悩んだ。14~15年シーズン後は世界選手権の代表から遠ざかった。
だが、今季はロンバルディア杯(イタリア)、フィンランディア杯(フィンランド)でいずれも合計200点超で優勝した。トゥクタミシェワは過去に、「うまくいく時も、いかない時も(トリプルアクセルに)挑戦した浅田選手の精神は素晴らしい」と語ったことがある。国際スケート連盟(ISU)の公式ホームページによると、トゥクタミシェワはこの日のSP後、「私はこれまで浮き沈みがたくさんあった。いまはその経験すべてを自分のプログラムに込めたい」と語った。
フリーは27日(日本時間28日)。優勝すれば、14年のGPファイナル以来、GP通算5勝目(GPファイナルを含む)となる。(大西史恭=ラバル、浅野有美)