今秋の東京六大学野球は27日、最終週の早慶戦が東京の神宮球場であり、早大が慶大に1―3で敗れ、6季ぶりの優勝を逃した。25日のドラフト会議でロッテに3位指名された早大のエース左腕・小島和哉(4年、浦和学院)にとって、無念の試合となった。
7回を投げて6安打6四球3失点。チームを勝利に導けなかった小島は、悔しさを押し殺して話した。「気持ちが入りすぎたのか、自分の弱いところ、悪いところが出た」。序盤から制球に苦しむ。六回無死満塁から、押し出し四球と適時打で痛恨の2点を失った。ただ、苦しい顔は見せない。ピンチをしのいでも、淡々とした表情でベンチに戻る。普段通りのポーカーフェースを貫いた。
高校2年の春、選抜大会で優勝投手となった。大学では勝てない時期もあったが、今秋はエースで主将として、3完封勝利を含めた4勝とチームを引っ張った。この早慶戦で東京六大学野球のマウンドは最後になる。「ドラフトが終わった金曜日からは、早稲田の主将としてしっかりやろうと気持ちを切り替えていた」
28日の2回戦に負ければ慶大の優勝が決まる。「目の前で優勝を見たくない。どこでも投げられる準備をします。後輩に恥ずかしくない姿を見せたい」と話した。悔しさを糧にして、冷静にやるべきことをやる。その姿勢はプロの世界でもきっと生きるだろう。(坂名信行)