安倍晋三首相は6日、マレーシアのマハティール首相と首相官邸で会談し、中国などからの融資で債務問題を抱えるマレーシアを支援するため、国際協力銀行(JBIC)の保証つきでマレーシアが日本で2千億円規模の円建て債券「サムライ債」を発行する準備を進めることで合意した。
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「期待の高いサムライ債について発行を目指すことを確認した」。会談後の記者発表で安倍氏はこう述べた。マハティール氏は「財政問題を解決する方法を提示していただいたことに感謝したい」と応じた。
マレーシアはナジブ前政権時代に中国との関係を強め、中国の支援でインフラ事業を進めた。だが、5月に首相に就任したマハティール氏は1兆リンギ(約27兆2千億円)の巨額債務があると公表し、中国主導の事業の見直しを進めている。
マレーシア側の説明によると、今回のサムライ債は金利が0・65%という低利になる見通しで、日本国内で得られた資金は中国からの債務などの元利払いにあてる。マレーシア政府関係者によると、中国の融資は高金利で、「日本のような友好的な国に助けてもらう必要がある」と話す。
マレーシア経済に詳しい日本貿易振興機構アジア経済研究所の熊谷聡研究員は「日本が借り換えを助けることによって、マレーシアは中国に弱みを握られる構造を解消することができる」と指摘する。
日本側にはマレーシアとの関係を深めることで、中国が軍事拠点化を進める南シナ海問題などで中国を牽制(けんせい)したい狙いがある。
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