自転車事故で大けがをして政界を引退した自民党の谷垣禎一・前総裁が事故後初めて自民党本部を訪れ、二階俊博幹事長らと面会した。二階氏が直接、「政界復帰を待ち望む国民の声は大きい。それに応えてもらいたい」と要望するなど谷垣氏の復帰待望論が相次いだ。
谷垣・前自民総裁、2年ぶり公の場 車いすで官邸を訪問
自民・谷垣氏「老兵は消えゆくのみ」 政界復帰を否定
谷垣氏は、久しぶりの党本部訪問について記者団に「浦島太郎の心境です」と笑顔を見せた。二階氏との面会では「老兵は消えゆくのみ」と政界復帰を否定してみせたが、二階氏は「我々はその声をまともに受け取っていませんから」と応じた。
加藤勝信総務会長は記者会見で、「話しぶりを伺っても十二分にそうした期待に応えていただけるのではないか」。吉田博美参院幹事長も会見で、来夏の参院選出馬について、「政治家としてこのままご勇退されるのはいかがなものか。もしそういうことがあるなら、十分に期待できる」と話した。
谷垣氏はこの日、自民党総裁時代に幹事長だった大島理森衆院議長とも面会。記者団から憲法改正について問われると、「国民の間にいろんな価値観が出てきている。亀裂を生むより国民統合に資することが大事だ」と語った。(明楽麻子)