国内最大の指定暴力団山口組が、組織内の権力争いを発端に分裂して3年以上たった。表立った抗争は年を追うごとに減っているが、山口組は来秋、服役中の組織ナンバー2が出所することから、組織力の強化を狙って分裂した団体への攻勢を強めつつある。
山口組分裂から3年を迎えた8月下旬、分裂した2団体のひとつ・任俠(にんきょう)山口組の「解散説」が降ってわいた。さらに、解散後は山口組に合流するとの情報もささやかれた。
山口組、神戸山口組、任俠山口組の3団体が本拠を構える兵庫県警は、山口組側が任俠山口組の構成員の受け入れにあたり、対立する神戸山口組への攻撃を「踏み絵」にする恐れがあると警戒を強めた。捜査関係者らによると、一時は任俠山口組が解散し、残る2団体が構成員をそれぞれ引き受けるといった案などが検討されたが、不調に終わったとみられるという。
分裂後の小康状態が揺らぎ始めたのは、資金力がある山口組が分裂団体の切り崩しにかかったことだ。
捜査関係者によると、山口組は…