8年前に不動産会社長宅に押し入って1億円を奪ったとして、京都府警は8日、住所不定で無職の上倉(かみくら)崇敬(たかゆき)容疑者(44)ら男女2人を強盗傷害と住居侵入の疑いで逮捕し、発表した。上倉容疑者は、事件当時は自民党の二之湯智(さとし)参院議員(74)=京都選挙区=の公設秘書。府警は認否を明らかにしていない。
捜査1課によると、ともに逮捕されたのは無職の西谷真弓容疑者(59)=京都市西京区松室追上ゲ町。2人は共謀して2010年9月29日昼過ぎ、同市左京区の男性(13年に72歳で死亡)宅に侵入し、1人で家にいた妻(60)の両手を縛って1週間のけがをさせ、金庫から1億円を奪った疑いがある。宅配業者を装って扉を開けさせ、ナイフで脅したという。
同課は、容疑者同士は知人で、男性や妻との面識はなかったとみている。残っていたインターホンの画像などから上倉容疑者を特定したとしている。
上倉容疑者は、16年5月に島根県出雲市で強盗目的で男性宅に押し入り、男性にけがをさせたとして、強盗傷害などの罪に問われ、懲役5年の実刑判決が確定して受刑中。
二之湯議員の東京事務所によると、上倉容疑者は04年~11年の7年間、地元で公設秘書をしていた。二之湯議員は朝日新聞の取材に、「寝耳に水で驚いた。金遣いが荒く、生活態度が悪くて辞めてもらった。こんな事件を起こして残念だ」と話した。