政府は12月、防衛力のあり方を示す「防衛計画の大綱」(防衛大綱)を5年ぶりに改定する。北朝鮮など東アジアの安全保障環境の変化によって先行した装備購入を後追いする形で位置づけ、宇宙・サイバー空間での脅威にも対応する改定をめざす。その作業は首相主導が色濃くにじんでいる。
安倍晋三首相は10月29日の衆院の代表質問で、防衛大綱改定について、「これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる防衛力のあるべき姿を追求していく」と語った。
政府は年末の閣議決定をめざし、作業を本格化させている。与党は今週中にもワーキングチーム(WT)の初会合を開き、政府から説明を受ける予定だ。過去の改定は防衛省や自民党国防族が事前に積み上げる形で進むのが通例だったが、今回の作業が始まったのは、1年3カ月前の内閣改造での首相の一言だった。
昨年8月3日午後、2回目の防…