臨時国会で憲法改正議論の前進をめざす自民党の戦略に狂いが生じている。下村博文・党憲法改正推進本部長が「職場放棄」と野党を批判したことに反発した野党各党が衆院憲法審査会の開催に応じない構えを強めたためだ。下村氏は13日、内定していた憲法審幹事の辞退に追い込まれた。
自民・下村氏「改憲論議しないのは国会議員の職場放棄」
「ちょっと過激発言で野党を硬直させた。十分気を付けたい」。群馬県みなかみ町で13日に開かれた自民党会合。下村氏は改憲論議に消極的な野党を「国会議員として職場放棄」と批判した9日の自身の発言への反省を口にした。
今国会で憲法9条への自衛隊明記案を含む「改憲4項目」を提示したい自民は安倍晋三首相と気脈を通じる側近の下村氏を本部長に据え、議論の進展を狙った。下村氏は積極的に動いた。改憲論議を容認する国民民主党幹部と接触したほか、12日夜には日本維新の会幹部とも会食して憲法審の早期開催へ同意を取り付けた。だが、その下村氏の強気の発言が裏目に出た。
CM規制を柱とする国民投票法改正案をまとめ、憲法論議に応じる構えを見せていた国民の玉木雄一郎代表は「敵対的な言葉をぶつけるようではとても円満な議論はできない。(幹事辞退は)当然だ」と反発。自民の二階俊博幹事長も「野党にものを言う場合は、慎重の上にも慎重であってもらいたい」と戒めた。
立憲民主党や国民など6野党・…