競売大手のクリスティーズが13日、スイス・ジュネーブで史上まれにみる高品質で約19カラットある大粒のピンクダイヤモンドを競売にかけ、5037万5千ドル(約57億3200万円)で落札された。同社によると、1カラットあたり約265万ドルという単価は、ピンクダイヤの落札額としては過去最高額だという。
このダイヤは「ピンク・レガシー」(ピンクの遺産)と名付けられ、長方形で18・96カラット。ピンクダイヤにありがちな濁りがなく、透明度は過去最高水準という。
英BBCによると、ピンクダイヤの競売史上における過去最高額は、競売大手サザビーズが昨年4月に香港で開催したオークションで落札された、59・6カラットの「ピンク・スター」で価格は約7100万ドル。ただし、1カラットあたりの価格は約120万ドルで、ピンク・レガシーには及ばない。
一方、クリスティーズがこれまでに扱ったピンクダイヤの最高落札額は、昨年11月に香港で落札された14・93カラットの楕円(だえん)形「ピンク・プロミス」(ピンクの約束)で、3248万500ドル(約36億9600万円)だった。
ピンク・レガシーは60~80年前に採掘されたとみられ、当初はダイヤモンドや金の採掘事業で大富豪となったオッペンハイマー家が所有していたという。クリスティーズによると、ピンク・レガシーの落札者は、宝飾ブランドを世界で展開するハリー・ウィンストン社だという。(ウィーン=吉武祐)