豊洲市場(東京都江東区)への移転に反対して旧築地市場(中央区)に所有物を残していた水産仲卸業者2社に対し、東京地裁が土地と建物を明け渡すよう命じる仮処分決定を出した。決定は22日付。都が26日、明らかにした。
都によると、決定を受けて地裁の執行官が26日午前、旧築地市場に残されていた業者の冷蔵庫や事務用品を撤去したという。業者の一人は取材に対し、「納得がいかない。不服申し立てを検討する」と話した。
築地市場は移転に伴い、10月10日に閉場し、解体工事が進んでいるが、業者数社と一部の組合が築地での営業権を主張して所有物を残したままにしていた。都は明け渡しを求めて仮処分を申し立てたが、2社以外からは原状回復の意向が示されたことから、申し立てを取り下げていた。