技能実習生が労災死する比率が、国内の雇用者全体の比率を大幅に上回っていることが厚生労働省のまとめで分かった。けが人も増えている。その事例からは、「きちんとした労働環境のもとで一定の経験がある実習生の技能を磨く」という制度が機能していない実態が浮かび上がる。
厚労省によると、2014~17年度に労災死と認定された技能実習生は30人。事故の詳細は明らかにしていないが、昨年6月に配布した実習生の労働災害防止を企業に呼びかけるチラシで、17年4月に発生した死亡災害2件の概要を示している。
実習生が鋼材をクレーンでつり上げたところ鋼材が崩れて激突した事故と、実習生がプレス加工作業をしていた時に頭をはさまれた事故だ。
技能実習生の職場は建設や食品…