医師の働き方に関する厚生労働省の検討会で、厚労省は5日、2024年4月をめどに罰則つきで適用される、医師の残業時間の上限の設定方法を提案した。上限の導入は医師不足の地域の診療に大きく影響するため、一部の医師には緩い上限を認める一方、勤務間に一定の休息を確保する「勤務間インターバル」や連続勤務の時間制限を設ける。
勤務間インターバル、導入は努力義務 休息の長さも焦点
一部の医師とは、地域医療への影響が懸念される特定の医療機関の勤務者と、集中して技能向上のための診療が必要な研修医ら。厚労省によると、勤務間インターバルの義務づけを条件に残業の上限規制を緩和するのはこれまでにないという。
6月に成立した働き方改革法では、罰則つきの残業時間の上限が初めて導入され、来年度に施行する。原則月45時間、年360時間で、例外でも年720時間、月の上限は休日労働を含めて100時間未満。
ただし医師については、正当な理由がないと診療を拒めないとする「応召義務」があるほか、長時間労働によって診療が維持されている地域や医療機関もある。このため、働き方改革法では医師の上限は省令で別途決め、5年後に適用することにしており、検討会で議論してきた。
今回の上限の決め方案では、年間は2~6カ月の平均月80時間以内(休日労働込み)、月間は100時間未満という「過労死ライン」を考慮して設定する。
一般の労働者に適用される上限の原則を超えるため、「勤務間インターバル」や連続勤務の時間制限を努力義務にする。さらに医師の面接などの健康確保措置を条件に、月上限を超えることも例外的に認める。
ただ、勤務医の4割は、残業時…