パキスタンの裁判所は24日、不正に資産を隠していた罪で、同国のナワズ・シャリフ元首相に禁錮7年と罰金の有罪判決を下した。シャリフ氏は別の資産隠しの罪でも禁錮刑を受けて控訴中。7月末の総選挙で下野したシャリフ派の不正追及が続いている。
検察によると、シャリフ氏は2001年にサウジアラビアに建てた製鉄工場を息子名義にすることで、工場の存在や収益を隠してきたとされる。シャリフ氏は7月に英国にある不動産を隠したとして、禁錮10年の一審判決を受けた。その後、控訴審で刑の執行が停止されていたが、今回の判決で再び収容された。
首相3期目で支持率の高かったシャリフ氏の追い落としが続くのは、同国政治に大きな影響力を持つ軍部との関係がこじれているため。軍部と蜜月関係にあり、総選挙で政権交代を実現したイムラン・カーン政権はシャリフ派の不正追及を公約にしていて、シャリフ氏の弟や元側近の議員らを相次いで逮捕している。(イスラマバード=乗京真知)