20~30代の複数の女性に対し、セクハラやパワハラ行為をしたとして、鹿児島県警は26日付で、県警本部に所属する50代の男性警視を減給3カ月(10分の1)の懲戒処分にしたと発表した。セクハラの被害者には県警職員3人のほか、共同通信社の記者1人が含まれていた。
県警は計4人のセクハラ被害者のうち、1人について身分を公表しなかったが、共同通信社が同日、鹿児島支局の20代の女性記者に対するセクハラ発言があったとして、県警に抗議したことを明らかにした。
共同通信社によれば、処分された警視は11月9日、所属していた警察署内で取材中の女性記者に対し、セクハラ発言をしたという。発言内容については、公表していない。
県警監察課の発表では、警視は2016年3月ごろ~今年11月ごろ、おもに業務中に女性警察職員3人ら知人女性に対してセクハラ発言をし、同年5月ごろ、別の女性警察職員1人にパワハラ発言をしたとされる。
警視は「世間話で場を和ませようとした。認識が甘かった」と話しているという。職員以外のセクハラ被害者の身分を公表しない点について、「本人の意向で氏名の特定につながる」としている。
共同通信社は「ハラスメントは人権侵害で記者の正当な取材活動を妨げ、萎縮させる行為であり極めて遺憾。本日の発表に際し、県警にあらためて再発防止の徹底を文書で申し入れた」とのコメントを発表した。(井東礁)