安倍晋三首相は9日午後(日本時間10日未明)、オランダのルッテ首相と同国のロッテルダムで会談した。米国などで保護主義的な動きが強まる中、2月に発効する日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)を軸に、自由貿易推進のため協力していくことで一致した。
安倍首相は会談後の記者会見で「より公正なルールを打ち立てていくことで、自由貿易を深化させていくべきだ」とした。
6月に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)にはオランダも招待される。両首相はG20での議論を見据え、気候変動や海洋プラスチックごみなどの地球規模課題への対応でも協力していくことを確認した。安倍首相は「日本とオランダは長い貿易の歴史を有する国だ。大阪サミットに向けてともに協力をし、成果を上げていきたいということで一致した」と述べた。
会談に同席した西村康稔官房副長官の説明では、ルッテ首相からは日本が国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を決めたことについて質問があり、安倍首相が直接理由を説明したという。
両首相の会談は2015年11月以来3回目。(ロッテルダム=津阪直樹、星野典久)