「新作の服は、別ブランドの過去のデザインからの盗用だ」――。SNSなどインターネット上で、そんな指摘が目立つようになった。訴えられた巨大企業が敗訴するケースもある。ファッション業界ではヒット商品の類似品があふれることが常だったが、「デザインをどう守り、コピーをどう禁じるか」が新たな角度からも問われる時代になった。
「ザラで完コピ発見!」。2016年春、東京を拠点にするブランド、ザ・リラクスの倉橋直行社長はSNSで、自社製品「モッズコート」についての記述を見かけた。すぐにザラの商品を購入して検証したところ、パターンやボタンの位置まで同じだったという。
当時のザ・リラクスは大手セレクトショップに納品するなど、業界では名が知られ始めていたものの、社員は4人。一方のザラは各国に展開する巨大企業だ。倉橋さんは悩んだ末、「相手が大企業だからといって泣き寝入りすれば、業界で同じことが繰り返される」と提訴を決意した。
東京地裁は18年8月、ザラ・…