家族による虐待から逃れるため単身亡命を試みた18歳のサウジアラビア人女性が12日、亡命先に選んだカナダに到着した。女性は今月上旬、一時滞在したタイからツイッターで「帰国させられれば殺される」などと訴えて世界の注目を浴び、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に保護されていた。
DV訴えたサウジ女性、カナダへ 国連機関が保護
女性はラハフ・ムハンマド・クヌンさん。AFP通信などによると、クヌンさんは12日、トロントの空港に「カナダ」と書かれた灰色のパーカを着て到着。同国のフリーランド外相に出迎えられ、笑顔を見せた。UNHCRの要請を受けたカナダのトルドー首相が前日、「カナダは世界の人権と女性の権利を守る大切さを知っている」として受け入れを表明していた。
クヌンさんは今月上旬、家族で旅行に訪れたクウェートで逃亡。オーストラリアを目指したが、経由地のタイで書類の不備を指摘されて足止めされた。この際にツイッターで送還への恐怖を訴えたことから女性の人権問題として注目を集め、人権団体が各国に救済を求めるなどしていた。
クヌンさんはAFP通信などに、「髪を切っただけで6カ月も部屋に閉じ込められた」などと家族からの虐待を訴えていた。(和気真也)