インドネシアで昨年10月、乗客ら189人を乗せたライオン航空の旅客機(ボーイング737MAX8型)が墜落した事故で、同国海軍は14日、機長と副機長の会話を記録したボイスレコーダーを海底から回収した。
海軍によると、特殊部隊のダイバーらが同日朝、ジャワ島西部で機体が消息を絶った付近で、海底から8メートルほど泥を掘って回収した。レコーダーの位置を特定するための信号が発信できる期間は事故から90日間で、残すところ15日間以下だったという。
同国の運輸安全委員会は中間報告で事故原因について、機体の不具合が複数重なり操縦トラブルを引き起こした一方、機長らが想定外の緊急事態に対応できなかった可能性を示唆した。解析中の飛行記録に加え、ボイスレコーダーが新たに見つかったことで「全容解明に至ると期待している」との声明を同日発表した。
事故機は昨年10月29日午前6時20分ごろ、ジャカルタ郊外の空港を離陸した十数分後に急降下し、ジャカルタ北部の海に墜落。乗員乗客189人全員が死亡したとみられている。(ジャカルタ=野上英文)