道頓堀に黒門市場、塗って遊んで覚えていって――。大阪・なんばのランドマークや街並みを描いた「大阪難波ぬりえマップ」を、ミナミのイベント会社がつくった。訪日外国人の思い出に、なんばの魅力を塗り込んでほしいという。
マップは縦30センチ、横40センチ。北は道頓堀から南は南海なんば駅まで、「かに道楽」のカニや「くいだおれ太郎」といった観光名所がぎゅうぎゅう詰めに描かれている。外国人にもわかるよう、ひらがなの読み仮名に加え、英語の表記も。じっくり見ると、街路樹は串カツで、子どもが持っている風船はたこ焼き。「なんばグランド花月」前には、お笑い芸人風のコンビが描かれ、街を歩く人はみんな笑顔だ。
考案したのは、外国人観光客を対象とした飲食店へアドバイスしたり、タウン誌を発行したりしてきたイベント会社リンクコーポレーション(大阪市中央区難波千日前)の牧香代子社長(42)。「子どもはもちろん、言葉がわからない人にもいろんな魅力があって元気な町と伝わるでしょ」
地図のきっかけは、フラリと訪れた100円ショップだった。店には、ニューヨーク、パリ、東京、京都の塗り絵があるのに、大阪は見当たらない。大阪観光局の推計値では2017年、約1千万人の外国人が訪問。米ニューヨーク・タイムズ紙の「今年行くべき世界の都市」にも選ばれたのに。「何でやねん」と、心の中で突っ込んだ。
それなら自分で作ろうと、身近ななんばを描くことにした。イラストレーターと打ち合わせを重ねて地図に載せる名所を絞り込み、「わかりやすさ」にこだわったという。
牧さんは「子どもたちが『お母さん、もう1回なんばに行こうよ』と言ってくれるきっかけになれば」と願う。マップはなんば周辺のホテルや飲食店でノベルティーグッズとして活用してもらえるよう販売しているほか、リンク社で100円で買うこともできる。問い合わせは同社(06・4396・4488)へ。(国方萌乃)