昨年首都圏を中心に風疹が流行したことを受け、厚生労働省は新年度、子どもの頃に定期接種を受けていない39~46歳の男性に抗体検査を促すことを決めた。4月以降受診券を配り、検査で免疫がないことがわかれば、ワクチン接種を無料で受けられるようにする。
厚労省は昨年12月、抗体検査を受け、免疫がないと判明した39~56歳の男性を3年間、原則無料の定期接種の対象にすることにした。ただ、対象者は約1600万人に上り、うち免疫がないのは2割程度と推計されている。接種希望者が集中すると、ワクチンの供給不足になる恐れがある。
このため厚労省では、特に患者が多い39~46歳の男性に対象を絞って、まず抗体検査を受けてもらうことにした。4月以降、市町村から抗体検査の受診券が送られる。対象者は、1972年4月2日~79年4月1日生まれの男性。この年代以外の男性でも市町村に希望すれば、受診券をもらえる。
風疹は昨年、首都圏を中心に2917人の患者が報告された。国は東京五輪・パラリンピックのある2020年度までの風疹の「排除」をめざしている。(黒田壮吉)