厚生労働省は25日、「毎月勤労統計」の不正調査について再検証を始めた。外部有識者による特別監察委員会が行ったとしていた厚労省職員らへの聞き取りの一部を「身内」の同省職員が担っていたことが明らかになり、第三者性への疑念が強まったため。検証結果の公表からわずか3日での再検証は極めて異例だ。
根本匠厚労相は25日の記者会見で、「第三者性にいささかも疑念が生じることがないよう、(監察委の)樋口(美雄)委員長と相談し、ヒアリングをさらに行っていただくことになった」と説明。身内による聞き取りは、監察委の有識者がやり直すとした。未実施だった地方自治体への聞き取りなども行う。
樋口氏は厚労省所管の労働政策研究・研修機構理事長で、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の会長などを務める。与野党には、検証の第三者性の確保に向けて厚労省の外に検証組織を設置するべきだとの意見もあるが、厚労省は監察委で検証を続ける。
監察委は設置から6日後の22日に中間報告書を取りまとめ、不正調査の動機などに関する検証は終結すると表明した。根本氏は、報告書をもとに関係職員・元職員計22人を同日付で処分。だが、再検証で処分の根拠も揺らぐことになる。
24日の衆参厚労委員会の閉会中審査では、野党の追及で「身内」による聞き取りや、報告書の素案を厚労省が作っていたことが判明。与党からも不正の動機など「肝心な点」が解明されていないとの批判が相次いだ。
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