危ぶまれていた全県実施が実現する見通しになった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、埋め立ての是非を問う県民投票。2月24日の投開票日の1カ月前というタイミングでの急展開は、全県で実施したいという若者の行動が発端となった。
本土との溝、基地問題の行方は…沖縄はいま
沖縄県民投票、全県で実施へ 一部は時期ずらす可能性
「歓迎したい」「県議会で与野党が歩み寄った結論は重い」
県議会全会派が3択での条例改正に一致してから一夜明けた25日、不参加を表明してきた沖縄、うるま、宜野湾、宮古島、石垣の5市長は、一転して参加に前向きな姿勢を示した。
普天間飛行場があり、埋め立て反対が上回れば普天間の固定化につながるとの懸念を示してきた宜野湾市の松川正則市長は「『どちらでもない』という選択肢が増え、市民は投票しやすい環境ができたのではないか」と記者団に語った。
5市には市民から抗議の声が連日、電話やファクスで届いた。市民が5市に対し、公務員の不法行為を問う国家賠償請求訴訟を起こす動きもあった。ある市長は「抗議と激励のどちらもあり、市民がぶつかるような形になった。投票後もこの状況が終わらないことが懸念された」と心情を吐露した。
5市は今後、投票所入場券の発注などの作業を進めるが、2月14日の告示まで3週間弱しかない。告示翌日から始まる期日前投票までに入場券の配布が間に合わない可能性がある。
県は、5市から要望があった場合、投開票日を1~2週間後に延期することを検討している。ただ、延期後に投票所を確保できるのかといった懸念もあり、「一緒にやった方がいい」(下地敏彦・宮古島市長)との意見もある。
「市民の力、政治動かした」知事に近い県議
事態が大きく動いた背景に、何があったのか。
今月15日、宜野湾市役所前で…