広島に新しく加わった長野久義は「しっかりと練習についていけるよう、大歓声をいただけるよう頑張りたい」とキャンプに取り組む。
初日に続き、2日もランチ特打に登場すると6500人のファンが見守る中で約100球のフリー打撃をした。ほとんどが中堅から右方向を意識したもので、「左肩が早く開かないようにするため、毎年この時期にやっている」。球団は変わったが、34歳はぶれずに調整を続ける。
過去に、2度の指名拒否を経て巨人へ入団。「巨人愛」を成就させ、攻守両面で活躍したが、丸の人的補償で広島に来た。心中は複雑だろうと思いきや、「不思議とそういう気持ちは全然なかった」という。移籍発表時には「選んでいただけて選手冥利(みょうり)につきる」とコメント。入団会見では赤いネクタイ姿で臨み、ファンの心をつかんだ。
キャンプ初日。円陣の声出しで、「野球以外のことなら何でも聞いてください」とニヤリ。昨季、「家族」のような結束で3連覇を遂げた新たな仲間の爆笑を誘った。
長野といえども、レギュラーは確約されていないが、新井という精神的支柱が抜けたカープで早くも存在感を示している。練習を視察にきていた巨人の高橋前監督が「不思議な感じもしたけど、違和感がない」というほどに。=日南(藤田絢子)